Boeing 787 緊急降下
報道によると、米サンノゼを離陸し成田空港に向かっていたボーイング787が1日午後2時ごろ、三陸沖上空を飛行中、二つある空調系統が相次いで不具合となったために緊急事態宣言を出し、高度約1万3千メートルから約3千メートルまでの緊急降下を行ったとのこと。
機内の与圧を行うための空調系統が作動していないとの警告が操縦室の計器に表示され、機内の圧力も徐々に下がってきたが、急激な圧力低下はなかったため、酸素マスクは出さずに約3千メートルまで降下したとのことらしい。
なお B787 は従来の機材とは違って、エンジンのブリード・エアではなく、電動ポンプによって与圧を行っています。昔の YS-11 と同じ。歴史は繰り返す?
今回の件も与圧をブリード・エアで行うシステムだったなら、起きなかった事例かも。
PS:その後の情報として、急減圧(RAPID DEPRESS)ではなくて徐々に減圧して行ったのは、与圧のための電動ポンプの能力が一時的に低下した為で、今後は FL430 の利用は控えることになったと聞きました。B787 の与圧能力は他機種に比べて高くなっているので、客室高度は最大でも 6,000ft までしか上昇しないのですが。
他機種ででは耐空性の基準通り 8,000ft まで上昇します。

B747-400 が懐かしい、4発エンジンで 3PACK。安心して太平洋を越えられます。
この報道を見てまず疑問に思ったことは、高度約1万3千メートル(FL430:4万3千フィート)を本当に飛んでいたのか?と言うことでした。
恐らく10時間以上飛んできて燃料を消費し、機体重量も軽くなっていただろうから、性能的には飛行可能な高度だったろうが、会社の規程では FL410 を超えて飛行する場合には2名のパイロットのどちらかが常に酸素マスクを装着しておく必要があるのですから。
操縦席サイド下にあります酸素マスクを引っ張り出し、レバーをつまみますとハーネスに空気が送り込まれて大きく拡がります。
そしてハーネスを頭に被せてレバーを離しますと、空気が抜けますのでハーネスに仕込まれているスプリングの力で頭にしっかりと固定されます。
こんな格好で長時間飛ぶのは辛いでしょう。
お茶を飲むにも大変な思い?
私の現役時代にも「そんなに高度を上げたいの?」と聞きますと「ハイ、燃料消費が最も少なくなりますので」と答えたコーパイがいました。会社の燃料節減キャンペーンに毒されていなければよいのですが。昔からの格言「バカの高上がり」
FL430 へ上がるかよ![[ふらふら]](https://blog.seesaa.jp/images_e/144.gif)
ボーイングのトレーニング・マニュアルによりますと、緊急降下の要領は次のようになっています。
マニュアルの注意点で重要なことは、機体の損傷が明らかか疑われる時には、現在の速度かそれ以下の速度で降下すること。MMO/VMO まで加速しちゃダメよ。と言うこと。
むかし oldfogy さんとそんな話をした事がありました。
話は全く変わって、近頃世間を騒がしている引きこもりと無差別殺傷、更に長男を刺殺した元農林水産事務次官の事件。
新聞の社説などでは「引きこもりに伴う家庭内暴力はすでに犯罪であり、警察や関係窓口に相談すべきであったが、元高級官僚のプライドが邪魔したのであれば残念でならない」との高説を述べ、テレビの報道番組でもしたり顔のコメンテーターとやらが同じく「行政に相談すべきだった」と声を揃えていたが、全く何も分かっていない。行政に相談すれば何をやってくれると言うの?「親子でよく話し合えとか、しかるべき医療機関の診察を受けろ」と言われるのが関の山。それが出来るのであればハナから苦労はしない。
警察も事件が起きるまで何も出来ないのだから。
またまた話は変わって、運転手が乗らない完全自動運転の横浜シーサイドラインが逆走事故を起こしてしまいましたが、1本の軌道上を走る電車だったのでこの程度で済んだ。
しかし多くの車が行き交う道路での自動運転ではこの程度では済まないだろう、大丈夫か?
古い人間と言われようが、自動運転絶対反対
機内の与圧を行うための空調系統が作動していないとの警告が操縦室の計器に表示され、機内の圧力も徐々に下がってきたが、急激な圧力低下はなかったため、酸素マスクは出さずに約3千メートルまで降下したとのことらしい。
なお B787 は従来の機材とは違って、エンジンのブリード・エアではなく、電動ポンプによって与圧を行っています。昔の YS-11 と同じ。歴史は繰り返す?
今回の件も与圧をブリード・エアで行うシステムだったなら、起きなかった事例かも。
PS:その後の情報として、急減圧(RAPID DEPRESS)ではなくて徐々に減圧して行ったのは、与圧のための電動ポンプの能力が一時的に低下した為で、今後は FL430 の利用は控えることになったと聞きました。B787 の与圧能力は他機種に比べて高くなっているので、客室高度は最大でも 6,000ft までしか上昇しないのですが。
他機種ででは耐空性の基準通り 8,000ft まで上昇します。

B747-400 が懐かしい、4発エンジンで 3PACK。安心して太平洋を越えられます。
この報道を見てまず疑問に思ったことは、高度約1万3千メートル(FL430:4万3千フィート)を本当に飛んでいたのか?と言うことでした。
恐らく10時間以上飛んできて燃料を消費し、機体重量も軽くなっていただろうから、性能的には飛行可能な高度だったろうが、会社の規程では FL410 を超えて飛行する場合には2名のパイロットのどちらかが常に酸素マスクを装着しておく必要があるのですから。

そしてハーネスを頭に被せてレバーを離しますと、空気が抜けますのでハーネスに仕込まれているスプリングの力で頭にしっかりと固定されます。
こんな格好で長時間飛ぶのは辛いでしょう。
お茶を飲むにも大変な思い?
私の現役時代にも「そんなに高度を上げたいの?」と聞きますと「ハイ、燃料消費が最も少なくなりますので」と答えたコーパイがいました。会社の燃料節減キャンペーンに毒されていなければよいのですが。昔からの格言「バカの高上がり」
FL430 へ上がるかよ
![[ふらふら]](https://blog.seesaa.jp/images_e/144.gif)
ボーイングのトレーニング・マニュアルによりますと、緊急降下の要領は次のようになっています。
マニュアルの注意点で重要なことは、機体の損傷が明らかか疑われる時には、現在の速度かそれ以下の速度で降下すること。MMO/VMO まで加速しちゃダメよ。と言うこと。
むかし oldfogy さんとそんな話をした事がありました。
話は全く変わって、近頃世間を騒がしている引きこもりと無差別殺傷、更に長男を刺殺した元農林水産事務次官の事件。
新聞の社説などでは「引きこもりに伴う家庭内暴力はすでに犯罪であり、警察や関係窓口に相談すべきであったが、元高級官僚のプライドが邪魔したのであれば残念でならない」との高説を述べ、テレビの報道番組でもしたり顔のコメンテーターとやらが同じく「行政に相談すべきだった」と声を揃えていたが、全く何も分かっていない。行政に相談すれば何をやってくれると言うの?「親子でよく話し合えとか、しかるべき医療機関の診察を受けろ」と言われるのが関の山。それが出来るのであればハナから苦労はしない。
警察も事件が起きるまで何も出来ないのだから。
またまた話は変わって、運転手が乗らない完全自動運転の横浜シーサイドラインが逆走事故を起こしてしまいましたが、1本の軌道上を走る電車だったのでこの程度で済んだ。
しかし多くの車が行き交う道路での自動運転ではこの程度では済まないだろう、大丈夫か?
古い人間と言われようが、自動運転絶対反対
この記事へのコメント
昨日たまげたのが福岡の老人暴走事故。防犯カメラ画像見ると140キロくらいで逆走して突っ込んで行ってる。最初に接触してその後アクセル全開で突撃する事故は、あの元高級官僚と全く同じパターン。
ぶつかって気が動転し何かいっぱい踏んだら止まる事思い出して踏み続けたのはアクセル。本人はブレーキ踏んでも止まらんと主張する。
ETOPSとは、簡単に言えば洋上飛行時に1 Engine がFail した場合に「定められた時間内」に着陸可能な空港まで飛行できる能力です。また、「定められた時間内」に着陸可能空港に到達できる経路を選定して飛行します。
ETOPSの時間は航空機の能力が良くなり当初より時間が大幅に伸びてきました。
B787は、その「定められた時間」が207分になりますが、A社は180分 (つまり、ETOPS180の基準)で実運航を行なっています。
与圧システムと直接の関係はありませんが「常にOne engineで3時間以内」に着陸可能な空港があるような経路を選定して飛行しています。
しかし、B747-400(やA340, 380) はそんな制限は全くありません。
考えれば、
YS11 → B727 → B747-100/200 →
B747-400と、全く同じ機種に乗っていましたね?
FDさんとの違いは(私は)最後に又B747-100/200に戻りましたが。
私より遙かに下手で危ない若者や女性が居ますので。
しっかりと運転技術の審査を行った上での免許返納勧告であれば
納得しますが。
私にも上司から「在来型 747 に戻ってくれないか」との打診が
あったのですが「何故?」と聞きましたところ「NCA への移籍前提」
と言われましたので「一度も NCA へ転籍した事がない乗員が居るのに、
私が二度も会社を退職して行かなければならないのか?」と言いましたところ
「分かりました」と言ってその話しは立ち消えになったようでした。
NCA へは出向などではなくて完全な転籍でしたからね。
その上司も確か一度も行ったことがない乗員だったのではないでしょうか。
そう言われると男気が(笑笑)
クラシックへの復帰訓練はSIMが4回と2泊3日の実機訓練で終わりました。
人間、74忘れていない」ものだと実感しました。
クラシックに帰った当初は路線が開設された「関空-ロンドン」ばかり飛んでいました。
外から見たら同じに見えるんですがねぇ。。
どちらがいいとか悪いとかじゃなく、4つもエンジンがあったら乗客としても安心して旅行に行けます。大統領専用機が747にこだわる理由がわかります。
確か、5泊6日ほどの長旅でしたので、暇を持て余していたところ、
地下鉄の駅のポスターで日本版「Shall we ダンス?」が上映されて
いるのを知りましたので、暇に任せて観に行きました。
そこそこの入りだったのですが、映画の中で「英国は紳士の国だから」
との台詞が入ったときには「クスクス」と笑っていました。
きっと照れ笑いだったのでしょう。
クラシックと -400 の違い。エンジン出力などの性能的な違いも
あるのですが、決定的な違いは -400 は航空機関士が乗っていない
パイロットのみの2名乗務の機体だと言うことです。
航空機関士の役割を全てコンピュータが行ってくれるのですが、
もちろん、そのコンピュータを操作するのはパイロットの役目です。
2名乗務となったため、クラシックから -400 へ移行するためには
新たな型式限定を取得する必要がありました。
移行訓練が始まる前、先に -400 へ移行していた oldfogy さんに
教えを請いに行ったことがありましたね。
そのうちAIで操縦も機械がする時代が来たら先日事故した無人運転電車の飛行機版が出てくるのかなぁ。。。
一番最初に通信士、ついで航法士、最後に航空機関士が20年位前から乗務しなくなりました。この流れは船も全く同じです。
1人乗務のパイロットは「地上から監視」されます。そのうちには無人機になります。現在でも宇宙船やグローバルホーク等沢山の無人機がミッションをこなしています。
商用化されるには、費用対効果と「安全性確保」でしょうか。
AI化で無くなる仕事は、工場労働者だけでなく凡ゆる分野に及び、パイロットや医療判断も例外ではありません。
旅客機が無人機になる条件は、一般の人がそんな機体を受け入れるかか否かではないかと思います。私なら乗りません。
医療判断もAIに任せるか?私なら、矢張り先生の診て頂きたい。Gen. Lee さん、如何ですか?
日本-欧州便で、搭載燃料が40,000ポンド(約18トン)も違いました。
-400が777にとって代わられたのも矢張り燃費でした。成田-ワシントン便の年間の燃料代が50億違うと説明を受けました。
過去の事故データをすべて覚えたAI搭載機が同じ事になったら無事に降りて来るという保証はないし、新たなトラブルがあってもちゃんと適切な方法考えてくれるのか?
この前のCRJ離陸滑走でいきなり斜めに走り出したら止まるのか?oldfogy機長でなかったらこの機体の初めての重大インシデントになってたはず。
アメリカ本土から遠隔操縦はしていますが、無人機の機体はイラク近くから飛んでいるのです。
「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」や
「ドローン・オブ・ウォー」など、無人攻撃機を主題にした映画があります。
私のお勧めは後者です。
シーサイドラインの事故を見るまでもなく、パイロットの乗っていない
飛行機など私も乗る気はありません。
すれどAIが決定することは私の場合ありません。
無人の航空機、船舶、車両には他の手段を探して乗ることはありません。理由は”いやだ”これで文化勲章を辞退した物書きがいましたね。
年金が給付されるのを知って、翻意したそうです。偉そうなことを
言っても金の魅力には、かてない、それにつけても金の欲しさよ。
数年以内に、東京の医師が「地方」の内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を遠隔で操り手術する時代が来るとのこと。
現場にはそれに備えて普通に手術出来る医師が見守るのなら要らないんじゃないかとも思います。ダビンチ使うならそんなに重症ではないと思うので、患者のほうが自分で病院に行く方がいいと思います。
内視鏡や画像診断にAIを併用するのは大賛成です。最近は見落とし、申送り確認ミスでガン発見が遅れて死亡という事故が増えてます。